Japan Association for Medical Informatics

[2-J-4-2] 入退院支援加算算定に係る業務効率化のためのワークフロー作り ~eXChartを活用した診療情報管理室の取り組み~

尾崎 真人1, 馬場 愛1, 大工園 柴乃1, 山田 祐子1, 植田 千尋1, 山下 賢美1, 西田 豊子1, 田上 瑞穂1, 野中 由美1, 吉冨 裕子1, 尾上 嘉周子1, 實藤 美香1, 濵脇 正好1, 藤岡 ひかる1, 徳永 多美子2 (1.独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター, 2.みさかえの園 あゆみの家)

【目的】これまで入退院支援加算の算定時には、多職種カンファレンス記録や患者・家族への説明記録等の進捗状況を把握するため患者毎にカルテを閲覧し記録を検索する必要があり、1患者あたり約5~15分の時間を要していた。これら一連の作業の効率化を目的とし業務の進捗状況を一目で把握できるツールの作成を試みた。【方法】2017年11月より、富士通電子カルテシステムの機能であるeXChartワークフロー(以下WF)を利用し、入院時スクリーニング票の作成、退院支援計画書の作成、病棟カンファレンス記録、患者・家族への説明、退院指導記録等の進捗状況を患者毎に把握しカルテ記載できるツールを作成した。また各書式に記載期限日を追加表示し算定要件漏れ防止に努めた。【結果】職種に関わらずWF上で業務の進捗状況が一目で把握できるようになり、1患者あたり数分で記録の検索が可能となった。かつ各書式の記載もWF上から簡便にできるようになった。また算定漏れ防止のツールとしても活用でき、患者が転科・転棟した場合でも進捗状況を把握できるようになった。もし担当スタッフが急に休んでも他のスタッフがWFを確認し業務をサポートできるようになった。【考察】入退院支援加算算定では、入院時の患者スクリーニングから始まり算定要件を満たすために多くの書式の作成が必要である。また多職種が関わるため相互の情報共有が重要である。電子カルテでは端末さえあれば多職種で同時に情報共有できる一方、関わり方の違い等から大局的な情報の把握は困難なことが多い。今回作成したWFではこれらの問題が解決できる可能性が高いだけでなく業務の効率化や業績の改善にもつながることが期待できる。【結語】WFはシステム開発の知識がなくてもマニュアルを参照しながら作成できるため、比較的容易に利用することができる。今後もWFを活用して業務の質の向上や改善へつなげていきたい。