Japan Association for Medical Informatics

[2-J-4-3] 経営指標ダッシュボードの病院開発について

蜂谷 昭典, 筒井 威至 (地方独立行政法人加古川市民病院機構 加古川中央市民病院 事務局 企画情報部)

「目的」これまで加古川市民病院機構における経営指標状況報告は、手作業でデータ抽出と集計作業をおこない、最終結果は翌月末まで待つ必要があった。途中経過報告を求められた際は、当該作業をその都度実施することになり、作業者側も非常に煩雑であった。また、結果が翌月末となる、依頼の後情報収集することで、幹部職員へタイムリーな情報を届けているとは言えなかった。そこで、全ての幹部職員がいつでも課題・問題を早期に把握し、経営判断・実行に移す事のできる、タイムリーな情報提供の実現を目的とした。「方法」当機構では、従前から医療情報技師を中心とした院内のスタッフによる病院システム開発体制や環境を整備していたこともあり、新たにコストを掛けず、入院・外来稼働、救急、手術、紹介・逆紹介、看護必要度を一元的に参照できるシステムを開発した。また、主要な指標をまず俯瞰でき、そこから詳細情報にドリルダウンできるようにした。「結果」本システムを「経営指標ダッシュボード」として運用を開始した。これまで、幹部職員が必要な抽出条件と対象期間を依頼してから結果を返すのに1日程度の時間を要していたが、今回開発したシステムを参照するだけで、前日までの稼働状況を部署別(日別・月別)に確認できるようになり、各部門長が自他部署の比較を含め、タイムリーな状況把握が可能となった。稼働状況に変化のあった際は、即日の経営者会議で議論されるなど、一定の貢献が出来ているのではないかと考える。「考察」病院開発システムは利用者のニーズを迅速且つ確実に取り入れることが出来るため、幹部職員が求める情報をその都度追加することが出来、拡張性に優れたシステムといえる。また、FileMakerを使って開発しているため、環境さえ整っていれば他施設でもある程度の共有可能ではないかと考える。今後も病院経営に貢献できるシステム開発体制の維持に努めていきたい。以上