[2-K-1-3] 被ばく線量管理ソフトを用いたCTの線量管理
[背景]平成27年にJ-RIMEが提案する診断参考レベル(DRL)案が正式に公開され,医学放射線学会より「エックス線CT被ばく線量管理指針」が発表されている.本年度の診療報酬改訂において「頭部MRI撮影加算」「画像診断管理加算3」の施設基準の1つとして「CT検査の線量情報を電子的に記録し,患者単位及び検査プロトコル単位で集計・管理の上,被ばく線量の最適化を行っていること」との要件があり,当院においてもCT検査の線量管理を実施するために被ばく線量管理ソフトの導入を行った.[目的]被ばく線量管理ソフトにおける線量管理方法として,DICOM RDSR用いる方法,DICOMタグおよび実画像より算出する方法,装置が出力する線量レポートを取り込む手法が考えられる.そこで,それぞれの手法における算出値の特性や運用方法ついて検討を行った.[方法]被ばく線量管理ソフトとしてRadimetrics; Bayerを用いた.128列デュアルソースCT(Definition Flash; Siemens)および治療計画用16列CT(Aquilion LB; Canon)におけるCT検査の線量管理を実施した.[結果・考察]ファントムおよび臨床例において,それぞれの手法を用いて算出された線量の間に誤差が発生した.特にFOV外に被写体が存在する場合にそれぞれの誤差が大きい傾向を示した.そのため,被曝線量管理ソフトの導入に当たって計算手法を変える場合には,過去データの比較には十分な検証が必要となる.また,「エックス線CT被ばく線量管理指針」においては部位ごとの線量が示されているため,今後線量管理ソフトには再構成関数等に応じた部位分け機能等が求められる.線量管理ソフトには各メーカーのX線特性情報が入っているため,CT装置更新時にシミュレーションを行い,より被ばく線量が少ない機種を選定するようなことも行える可能性がある.