Japan Association for Medical Informatics

[2-K-1-4] JCI取得により改善されたPOCT装置管理環境の変化

渡邊 勤, 佐藤 雄太 (札幌東徳洲会病院 検査センター輸血部)

【はじめに】2010年12月に北海道内の病院で初となるJoint Commission International(以下JCI)を取得することが出来た。これはアメリカの病院機能評価のJoint Commissionの世界版であり,当院においても今後の病院運営の基軸とすべく受審し認証を取得できた。14のカテゴリーからなる多彩な評価項目のなかで臨床検査部門が関わる分野のひとつにPOCTの管理に関するものがあり、病院内の複数部署に設置している血液ガス分析装置の管理に関して適正化することが求められていた。限られた人員と時間で適正な装置管理を行うために遠隔管理システムを導入することとした。【課題】POCT装置、特に血液ガス分析装置は、全血を使うことや短時間でのキャリブレーションを必要とする装置であり正しい結果を取得するためには日々の点検や動作状況の確認が重要となっている。従来は週3回(火曜、木曜、土曜)の目視点検を実施し、点検日以外は設置部署からの連絡を受けて点検や整備を行う運用であったが不具合に迅速対応できていたかを担保することが難しい状況であった。【手法】血液ガス分析装置を遠隔管理するためのシステムを導入し、各血液ガス分析装置はこのシステムと現在の稼働状況をリアルタイムに通信し、異常(異状)が発生すると警告が発生する環境が構築し、簡易な点検やメンテナンスはこのシステムから実施し、目視点検を組み合わせることで装置の適切な保守点検を行うことができる環境を構築した。【結果】毎日の装置稼働状況点検と簡易メンテナンスを行うことが可能となり、装置不具合によるダウンタイムを大幅に短縮することが可能となった。重大な不具合が発生する予兆の検出も可能となり、装置不具合によるダウンタイムが短縮された。【考察】日々の点検業務の効率化とともにシステムに搭載されていた患者認証の仕組みを活用することで、無記名検査が大幅に減少し結果用紙への患者識別情報の転記作業が大幅に減少した。