Japan Association for Medical Informatics

[2-K-4-2] 介護ライフログ知識抽出のためのテキストマイニング

串間 宗夫1, 山﨑 友義1, 酒田 拓也1, 川野 光一1, 松尾 亮輔1, 小川 泰右1, 荒木 賢二1, 近藤 千博2 (1.宮崎大学医学部附属病院医療情報部, 2.宮崎市立田野病院)

目的 : 本研究は、分析ツールとしてTotal Environment for Text Data Mining (TETDM : テキストデータマイニングのための統合環境) を用いて、介護ライフログに適用することによって、介護記録の分析を行い、その結果について介護行為を可視化する手法、あるいは介護行為を検証する手法を実現する。方法 : 分析対象として、M市介護老人保健施設Sに記録された、161件の介護ライフログを介護福祉士業務内容とそれに関連する記述を特定するために、様々な意図・文脈を含む記録記述文から分析対象とするデータを取り上げ、解析した。結果 : 分析として、主な頻出語を抽出し、(1)主役(主語としての頻度が最も高い語彙)、(2)主題(記録のキーワード)、(3)最重要文(一貫性)、(4)主語含有率、(5)主語がある文の割合、(6)不適切表現数、(7)長文の数、(8)総合評価について図表化した。この中で、介護福祉士が業務内容に関連するキーワードとして、トイレ、排尿、コール、午前、車椅子、パット、誘導、介助、様子、入所、移譲、入浴、訪室、夜間、が抽出された。文章要約・主題観点用のキーワードとしては、衣服、着脱、必要、介護、依存、姿勢、意欲が抽出されている。本研究の結果から、介護福祉士の業務の多忙さや、業務に及ぼす大きな要因があると考えられる。また、介護福祉士の業務を基本的に支持しているものと考えられる。このように、介護記録の特徴が定量的に示されることがわかる。まとめ : 本研究は、介護ライフログより、テキストマイニングの手法を用いて、介護福祉士が認識する業務内容とそれに関する状態について検討を試みた。これらの分析結果から、介護における中心的な課題が抽出され、諸課題の全体構造等の各介護の役割などが明らかにされた。このことは、多岐にわたっている介護福祉士の業務内容の明確化の手がりになると考えられる。