Japan Association for Medical Informatics

[3-E-1-3] 電子カルテログを使った、医療者の勤務状況の把握

志村 英生 (福岡大学病院 医療情報部)

医療者、特に若手の医師の勤務管理は大きな社会問題となっており、現在も厚労省や医師会などで診療勤務の適正化の議論がなされている。電子カルテが普及した今では、多くの診療行為がアクセスログとして詳細に記録されているので、このデータを利用することより、病院全体の稼働状況を可視化することができる。当院では、電子カルテの利用ログを自動集計して(月1000万レコード程度)、全体の俯瞰から個人別まで可視化できるシステムを作成し、主に問題となっている若手医師の勤務状況の参考として、時間外勤務の把握計算や健康管理や業務環境の改善に利用している。手術や時間の掛かる検査や治療手技を行う診療科では電子カルテの利用が少ないので実際よりも短い診療時間となるものの、結果を参考にした各医師の修正により、概ね実態に即したデーターが得られた。大きな投資が不要であり、個別や診療科別の業務や勤務管理を行っている部門にとって非常に有用な情報が得られ、業務の改善に有効と思われたので、報告する。