Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-4] 看護師の働き方改革に向けてのデータ可視化と効果の検証

木村 晃希, 志村 英生, 中川 朋子 (福岡大学病院)

【背景】医師の働き方改革が叫ばれる昨今、病院職員のうち多くを占める看護師についてもデータを可視化し現状と課題を提示することで、看護師の働き方の改善ひいては病院の経営改善が図れると考え分析を行った。【目的と方法】当院では看護勤務管理システムを導入しているため、当該システムから看護師の時間外労働に係る時間を抽出し、BIツールを用いて看護師別、部署別及び曜日別等で可視化を行った。また、その時間外労働の内容も項目化し、看護部へフィードバックすることで、各部署の現状把握や課題の精査を行うことができ、不要な時間外労働を削減するよう働きかけた。【結果と考察】看護師別の時間外労働については、特定の看護師に偏りがちであったものを分散することが可能となる。部署別や曜日別で各部署の現状を示すことで、曜日で特徴の出る手術日や化学療法の実施日及びその前後のシフトを考慮することで、部署により全体的な時間外労働の削減に繋がった。今後の対応としては、部署の特徴を見出し時間外労働のばらつきをなくし平準化することや部署としての改善検討を図っていく必要がある。さらに、適正な労務管理の定着に向けた風土作りや、組織横断的な補完体制についても継続して取り組む必要があると思われた。