Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-3] 医師タスク通知システム(ToDoシステム)の効果的な運用管理の検証

藤井 歩美, 武田 理宏, 村田 泰三, 坂井 亜紀子, 真鍋 史朗, 松村 泰志 (大阪大学医学部附属病院医療情報部)

【はじめに】当院では、医師のタスク一覧として文書作成やカウンターサイン依頼を担当医に通知するToDoシステムを導入している。複数システムから自動発生するToDo通知は非常に便利な機能である反面、適切に制御しなければ、未処理の通知の蓄積により、新規発生の重要な通知を見落とす危険性がある。当院では、通知の見落とし防止に向け、ToDo項目ごとに表示期間を設定し、未処理であっても一覧から自動消去するようにした。【方法】22種のToDo項目の表示期間を設定し、ToDo通知の処理状況の解析を行った。【結果】ToDo項目ごとに、通知後7日間から180日間の表示期間を設定した。「カウンターサイン依頼」や「重要所見通知」等の重要な項目は無期限とした。平成30年5月29日のToDo通知状況は、医師1388人のうち、未処理のToDo通知0件が888人、1-5件が318人であった。一方、11件以上の通知が蓄積しているユーザは126人であった。平成30年3月に発生したToDo通知は17,924件で、4月30日時点でユーザ処理が11,891件、自動消去が4,929件、未処理が1,103件だった。無期限で設定した「カウンターサイン依頼」(3,072件)、「重要所見通知」(483件)はユーザによる消去がそれぞれ2,983件、442件であった。一方、7日に表示期限を設定した「他科紹介」(5,714件)は3,605件が未処理で自動消去されていた。7日から180日に表示期限を設定した「入退院関連」(1,678件)は表示終了日を迎えていない554件が未処理で残っていた。【考察】我々が、重要度が高いと想定した「カウンターサイン依頼」や「重要所見通知」については、ユーザ処理率が高く、重要度が低いと想定した「他科紹介」や「入退院関連」はユーザ処理率が低い結果となった。「入退院関連」は未処理の通知の蓄積の原因となっており、表示期間の見直しが必要と考えられた。