Japan Association for Medical Informatics

[3-J-1-1] ストレッサーの高低による女性看護師のストレス反応とサポートの違いについての検討

古屋 肇子1,2, 西村 治彦2, 石垣 恭子2 (1.大阪青山大学, 2.兵庫県立大学大学院)

目的:女性看護職は,超過勤務や夜勤の負担など職場環境の理由から,ワークライフバランスが難しいとされる。本研究は,ストレッサーの高低による女性看護師のストレス反応,サポートの違いについて分析し,女性看護師の職場環境の改善に役立てるために,ストレスに関連する要因を明らかにすることを目的とする。方法:400床以上の総合病院病棟に勤務する女性看護師927名から得られた職業性ストレス簡易調査(BJSQ)の結果をもとに,ストレスの原因と考えられる因子(ストレッサー)項目の総合得点での高低群に分け,ストレスによって起こる心身の反応(ストレス反応)因子項目の総合得点と他者からのサポート因子項目の総合得点について,平均の差の検定を行った。更に,各因子項目への検定を通して詳しく分析した。研究内容については,所属機関の倫理審査委員会より承認を得ている。結果:ストレス反応因子とサポート因子の総合得点について,ストレッサー因子の高値群と低値群との間に有意差がみられた(P<.0001, =.016)。ストレッサー因子低値群は,高値群よりストレス反応が低く,サポートが多かった。更に,ストレス反応因子とサポート因子の各因子ごとに,ストレッサー因子の高低群間で分析した結果,ストレス反応因子の活気(P=.004),イライラ感,疲労感,不安感,抑うつ感,身体愁訴(P<.0001)すべての因子について,有意差がみられた。また,サポート因子については,上司サポートについてのみ有意差がみられ(P<.0001),同僚サポートと家族・友人サポートについては,有意差はみられなかった(P=.204, .443)。考察:結果からは、職場でのストレッサーが高くサポートが低いと,ストレス状態が昂じ,ストレス反応が高くなるいうシンプルな関係性の成立が確認できた。今後、更に個々のストレッサー項目レベルで同様の分析を行い,女性看護師におけるストレッサー特異性についても詳しい評価を進めたい。