[3-J-1-3] 看護業務を可視化するデータ基盤の整備
Ⅰ.はじめに 当院は、病棟業務効率化のために院内ICT化事業を強力に推し進めてきた。その一環として、システム連動型バイタル測定器:スポットチェックモニタHBP-1600(フクダコーリン)を188床全ベッドサイドへ設置。また、ナースコールシステムは病棟業務支援プラットフォーム NICSS-R8(ケアコム)を、電子カルテシルテムは、MIRAIs / AZ(CSI)を、それぞれ導入している。スポットチェックモニタの測定ログ、ナースコールの発報ログ、および、電子カルテからの実施ログは、各データベースから抽出可能で、そのデータを解析することで、看護業務の可視化が可能となるのではないかと考えた。そこで今回我々は、直近2ヶ月のデータを抽出しそのデータを解析したので報告する。Ⅱ.対象と方法 2018年4月1日~5月31日までの61日間。延べ入院患者数は11593人。日勤帯は9時~17時、準夜帯は17時~0時、深夜帯は0時~9時とし解析した。スポットチェックモニタでのバイタルサイン計測回数と時刻、ナースコールの呼出回数と時刻、電子カルテでの注射実施回数と時刻について検討した。Ⅲ.結果 バイタルサイン計測回数は、日勤帯25184回、準夜帯12782回、深夜帯12647回、計50613回であった。ナースコール呼出回数は、日勤帯13387回、準夜帯9105回、深夜帯8357回、計31029回であった。また、注射実施回数は、日勤帯18474回、準夜帯6954回、深夜帯5236回、計30664回であった。入院患者1人1日あたりのバイタルサイン計測回数は平均4.37回と一番多く、ナースコール呼出回数は平均2.68回、注射実施回数平均2.65回とほぼ同率であることが判明し、看護業務の可視化が可能であった。Ⅳ. まとめ 病棟業務にICT機器を導入することで、看護業務可視化のデータ基盤が整備された。今後、看護師数とバイタル測定・ナースコール呼出からの注射実施までの時間の解析などに役立てていきたい。