Japan Association for Medical Informatics

[3-J-2-6] わが国の看護管理者への看護情報教育に関する文献的考察

菖蒲澤 幸子 (日本赤十字秋田看護大学看護学部)

【はじめに】2001年政府がe-japan戦略を掲げてから今日まで、病院の看護師には電子カルテを用いての業務が定着し、看護管理者には、さまざまな「情報」を活用できることが求められてきた。さらに、これからの看護管理者は、地域包括ケアが推進される中で、看護職の活動の場の変化に対応できる看護情報の知識・スキルを持たなくてはならない。そこで、わが国の看護管理者への看護情報教育についての文献検討と、最新の看護管理テキストでの情報管理に関する記載内容の分類を行い、現在の課題を整理することを目的とする。【方法】対象文献は医学中央雑誌Web版Ver5を用い、「看護管理者」「看護情報」で103件が抽出された。検索期間を最近の10年(2007年~2018年)とし、さらに「教育」で絞り込みを行って30件、「研修」で絞り込んで8件が抽出された。会議録を除き、さらに、一人の筆者の連載での解説文献等を除いた。看護基礎教育「看護管理」用テキストの「情報管理」に関する項目内容の分類をした。【結果】対象文献の分析の枠組みは、看護情報教育を行っている場、教育の内容、看護情報能力としている内容、実際に看護管理者が扱っているデータの内容とした。教育の場は認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修だった。教育の内容は、情報倫理・個人情報保護、病院・看護情報システムだった。看護管理者が扱っているデータは、電子カルテシステム内での看護記録、看護必要度、DiNQLデータだった。2018年改訂の3冊の看護管理用テキストでの「情報管理」に関する項目は、「データと情報」「個人情報保護」が入っていた。