[3-K-1-2] 病院内でのIoT利用と電波利用の評価
目的IoT(Internet of Things)という形で、センサーをはじめいろいろなものをネットワークに接続する環境が普及しつつある。また、医療機器やヘルスケアデバイスでも、スマート化という流れからネットワーク対応が増えている。これまでは、無線LANの利用が中心であったが、IoTとしては無線LANとは異なる電波や通信を利用することとなるため、院内での電波利用の考慮も必要となっている。院内の電波管理も考慮して、データ通信の特性や健全性を担保した利用が必要となる。方法本院では、将来のIoTを医療で利用することを想定し、これまでに無線LAN以外の各種無線通信の利用方法を検討し、試行を行ってきた。無線LANだけでも、周波数チャンネルや強度設計を正しくしないと混信が発生し、利用が困難となった。この中で、さらに同一周波数帯の機器を多用することとなるため、機器の設置だけでなく、電波管理や運用管理も必須となる。本院では、電波管理を行うとともに、IoTが利用する電波の周波数も管理し、その中で運用を行うこととした。IoT利用としては、院内におけるセンサーデータの利用・バイタル機器等からのデータ収集・医療者のスマートフォン追跡を、無線LAN運用と同時に行うこととした。また、サーバへのデータ収集としては、IoTゲートウエイを設置し、各種通信をイーサネットに変換する。結果1病棟において、無線LAN機器40台、Bluetooth(BLE)機器80台、ZigBee機器10台、NFC機器20台、LoRa機器5台、3G4GLTE機器10台の運用を行ったが、医療機器への影響もなく、2.4G帯は電波干渉による影響はみられたが、データ通信としては確実な運用が実施できた。考察今後、医療現場でもIoT活用が増加すると思われるが、多くが無線通信となるため、電波の干渉の配慮が必要となる。このためにも運用設計が重要となる。