Japan Association for Medical Informatics

[3-K-1-3] 漏洩同軸ケーブル(LCX)を用いた無線LAN環境構築手法の改良

五十嵐 保裕1, 鈴木 誠一1, 小川 大豪2, 川本 翼2, 長谷川 隼也2 (1.戸田建設株式会社, 2.エイチ・シー・ネットワークス株式会社)

近年病院では、電子カルテシステム等の普及により、無線LANの利用が常識的になっている。特に病棟では、患者のバイタル記録、投薬や注射の際の認証等、ベッドサイドにて電子カルテ等の操作が行われるため、無線LAN環境は必要不可欠な存在となっている。 既報では漏洩同軸ケーブル(以降、LCXと称す)を用いた無線LANシステムを病院建物に実装し、LCXが院内無線LANに様々な効果をもたらすことを確認し報告した(第35回医療情報学連合大会3-I1-5-4)。 一方で、LCX無線LANでは次のような課題を持っている。・LCXは長さ方向に進むにつれて電波強度が減衰する性質を持っており、特に先端付近では快適な無線通信ができなくなる可能性がある。・LCXは天井裏に配線するため、建物竣工後の配線ルート変更が容易ではなく、室の用途変更が生じた時などに追従性が低い。 これらの課題は、LCXの配置設計を入念に行うことにより対処することが理想であるが、時としてLCX実装後に課題として顕在化する場合がある。その場合、LCXを敷設し直す等の対応が求められるが、影響範囲が広く、対処は容易ではない。 これらの課題に対処すべく、いくつかの対応策を発案し実証実験を行ったので報告する。これらにより、LCX無線LANシステムの実装後に生じた通信の不快状況を、大掛かりな工事を必要とせずに改善することが可能になる。