[4-B-3-6] 複数施設における標準コードのマッピングを支援するガバナンスツールの開発
【背景】 AMED康東天班(16mk0101075h0001)では、厚生労働省とPMDAにより平成30年度から本格稼働が開始された医療情報データベース基盤事業(MID-NET)の全国10拠点23医療施設の標準コードを一元的に維持管理するためのガバナンスセンターを九州大学病院に試験的に設置した。また、中島直樹班(17mk0101064h0002)では、標準コードをリアルタイムで管理するガバナンスツールを開発し、3施設に導入した。本研究では同ツールを九州大学病院で検証した。【方法】 ガバナンスツールは、コードの新規作成とコードや名称の変更を対象に、任意のタイミングで実行が可能であり、コード更新実行分の差分を抽出する。対象コードは、MID-NETで扱う11種類(診療科、病名、医薬品、薬剤単位、検体検査項目等)のうち、検体検査標準コード(JLAC10)、医薬品標準コード(HOT9、YJ)の差分を集計した。【結果】 九州大学病院の2017年の1年間で、検体検査コード(ローカルコード含む)は477件の差分が収集され、JLAC10の変更は384件(80.5%)であり、名称のみ変更は25件(5.2%)であった。新規登録は68件(14.3%)であり、そのうち28件はJLAC10が未付番であった。医薬品コードの差分は1,832件が収集され、HOT9の変更は82件(4.5%)、YJの変更は10件(0.5%)、HOT9とYJ両方変更は11件(0.6%)であった。【結論】 ガバナンスツールの検証により、コード差分の内容を整理できた。施設間で様々に異なるこれらの差分を一元管理することで、各施設の標準コードの更新状況をリアルタイムで検知し、各施設へ標準コードの適切なマッピングのフィードバックが可能となった。ガバナンスツールの活用は、MID-NET施設間のコードの標準化やデータ品質向上に繋がることが示唆された。