[4-C-3-8] 医療機器データを用いたプッシュ通知システムの検討
【背景】病院情報システムの普及や機器のデジタル化に伴い、あらゆる場所で必要な情報を活用するニーズが高まっており、医療従事者が持つスマートデバイスを活用した医療情報の共有および業務効率化、質の向上が期待されている。一方で、医療機器のネットワーク化でモニタリングデバイスを中心に病院情報システムとの接続が盛んに試みられている。しかし医療機器は医療者が目にするデータだけでなく多数のログデータを持っているが、診療録に必要なデータしか用いていない。今後は様々なデータをIoT(Internet of Things)で統合し分析することにより、異常通知システムや故障予知システムなどの利用が考えられる。本研究では、これまでログデータを扱うデータベースの検討と、医療機器からリアルタイムに取得したデータを収集し、医療従事者が携帯するスマートデバイスに対して異常のプッシュ通知するシステムを基に、ユーザが必要とする通知項目を検討した。【方法】A病院で利用されている代表的な生命維持管理装置からデータを取得した。取得にはシングルボードコンピュータを用いたゲートウェイを作成し、プッシュ通知システムに送信することで、各ユーザのスマートデバイスに通知を行った。ユーザ評価はインタビュー調査から得た。【結果】調査結果から人工呼吸器からログデータを取得し、換気情報やアラームなどの稼働状況をスマートデバイスにプッシュ通知することができた。通知されるアラームは患者トラブルだけでなく、看護ケアによって引き起こる問題ないアラームも含まれていた。【考察】スマートデバイスにプッシュ通知することでリアルタイムにか稼働状況を通知できた。しかし、機器側が用意している単一のアラームでは遠隔での正確な判断が難しく、複数のパラメータから状況を推察しなければならなかった。加えてユーザが必要とする通知項目も多く、今後はより効果的な通知方法を検討する必要がある。