Japan Association for Medical Informatics

[4-E-1-3] 電子症例報告システムと連携する臨床画像収集システム、臨床サンプル管理システムの構築

武田 理宏 (大阪大学)

我々は、電子カルテとデータ連携したCDISC標準準拠の電子症例報告システム(CDCS)を構築し、OCR-net(大阪臨床研究ネットワーク)で連携する15の医療機関に導入している。今回、CDCSと連携する臨床画像収集システム、臨床サンプル管理システムを開発した。
臨床画像収集システムはDICOM画像については、CDCSで指定された画像撮影日、モダリティから対象画像を検索し、患者IDをCDCSで付番される被検者IDで匿名化して、データセンターに送付する。非DICOM画像については、特定のフォルダに画像を保存することで、ファイル名に被検者番号が付与した形でデータセンターに画像を転送する。この際、あらかじめ個人情報が含まれる領域を指定すれば、個人情報が含まれる流域をマスクする機能を有している。
臨床サンプル管理システムについては、プロジェクトコード、施設コード、プロジェクト内患者番号、サンプル種番号、材料種別番号、枝番で定義される臨床サンプルIDを発番すると共に、患者IDから研究用患者IDを発番する。データセンターでは、臨床サンプルIDとCDCSで発番される被検者番号、研究用患者IDの対応表を保持する。研究用患者IDは別プロジェクトで取得されたサンプル情報を紐づけるために利用される。センターサーバでは臨床サンプルIDを遺伝子サンプルIDに二重匿名化することが可能である。臨床研究者、遺伝子研究者は本システムを用いてそれぞれのサンプルIDで互いに問い合わせをかけると、システム内で臨床サンプルIDと遺伝子サンプルIDが変換され、相手方に問い合わせをすることが可能となる。
臨床画像収取システム、臨床サンプル管理システムを用いることで、CDCSで集めた臨床情報と、臨床画像、臨床サンプルがCDCSで発番する被検者IDで紐づけられ、各施設に対象患者を問い合わせることが不要となった。