Japan Association for Medical Informatics

[4-F-1-2] 医療情報システムデータ活用ツールの開発とその評価

井内 雄大1, 上杉 正人2, 齊藤 暢大1, 廣川 耀介1 (1.滝川市立病院 医事課医事係, 2.北海道情報大学)

【背景】電子カルテシステムを2016年に導入してから2年経過し、当院職員から電子カルテシステムなどのデータを2次利用したいという要望が増加した。電子カルテシステムなどの医療情報システムのデータを抽出するには、データベースの構造や格納されているコード体系などを把握する必要があり、医療情報システムを管理している医事課職員しか把握していない。そのため、業務負担が大きく、依頼元への提出も遅くなっている。現在、依頼されているデータ抽出及び加工などを依頼元でも簡単に抽出・加工できないか検討した。【目的】各部署から依頼されるデータ抽出依頼について、定型的な依頼をツール化し、依頼元がいつでも抽出・加工ができるよう、医事課職員の業務負担軽減及び依頼元の業務効率化を図る。【方法】依頼元でも抽出・加工ができるようMicrosoft Office(EXCEL)を利用する。EXCELのマクロを活用し、医療情報システムのデータ抽出を行い、データ抽出後EXCELの関数を用いてデータの自動加工できるようにツール化した。【結果】ツール化し依頼元に配布したことにより、定型的なデータ抽出依頼はなくなった。しかし、EXCELでのデータ抽出・加工に時間を要するため、ツールのレスポンス改善の要望があった。【課題】大容量のデータを抽出・加工し、集計・表示するまでに時間がかかるため、レスポンスを改善する必要がある。また、電子カルテベンダーのみデータベースを公開しているが、部門システムはデータベースを公開していない。部門システムの情報を含めた多次元の情報を解析するため、データベースの公開を要求する必要があると考える。【今後の展望】今後大容量のデータを抽出・加工するため、FileMakerなどのデータベースソフトを活用し、ビックデータでも耐えられるツールの開発を行っていく予定である。