Japan Association for Medical Informatics

[4-G-3-4] レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)利用促進に向けた取り組み-1患者1データ化-レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)利用促進に向けた取り組み-1患者1データ化-

明神 大也1,3, 野田 龍也1, 久保 慎一郎1,4, 西岡 祐一1,5, 東野 恒之2, 今村 知明1 (1.奈良県立医科大学 公衆衛生学講座, 2.(株)三菱総合研究所 経営イノベーション本部, 3.奈良県立医科大学附属病院 病理診断科, 4.奈良県立医科大学附属病院 看護部, 5.奈良県立医科大学附属病院 糖尿病センター)

【背景】レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を利用する上で、問題点の1つに、患者の追跡が困難であることが挙げられる。その原因として、レセプトが月別・個人別・医療機関別に発行されるために個人追跡用IDにて名寄せが必要であるが、その個人追跡用IDを用いても1年間に1割以上の患者が脱落する問題があった。発表者らは、NDBデータの再データベース化・個人追跡用IDの名寄せ精度向上・1入院中のSIレコードの結合成功といった、患者の追跡にむけての技術開発・発表を進めてきた。【目的】本研究の目的は、医療計画策定に係る評価指標作成に向けての一環として、ほぼ正規化されたデータベース上で患者の追跡を実現することである。【方法】平成25年4月から平成28年3月までのNDBデータ(医科・DPC)を用いた。まず、①入院と②外来に分けて処理した。①入院では、医科入院とDPC出来高部分をCDファイル形式にして、DPC包括部分と結合した。そして医療機関コード・ID0・病棟区分をキーとして、入院日が途切れるまでを1入院として分割・統合した。②外来では医科レセプト(入院外)と調剤レセプトを、ID0・処方箋発行元の医療機関コード・診療日(処方箋発行日)をキーとして結合した。そして①と②をID0で結合した。なおID0は、NDBに備わっている2つの個人追跡用IDと転帰区分、診療年月から生成した、名寄せ精度向上させたIDである。【結果】上記処理後の一例として、平成27年4月から平成28年3月の1年間の性別・年齢階級別入院日数を算出した。その結果は男女ともに20代以降は右肩上がりとなり、女性は伸び続けた100歳以上で80.0日となったが、男性では95~99歳の60.8日が最大となった。【まとめ】本研究で、1患者1データ化がほぼ完了した。本機能を利用して、患者を軸とした長期追跡性が求められる調査、すなわちコホート研究が可能となった。