Japan Association for Medical Informatics

[4-K-1-1] 医療連携システムの維持フェーズの諸問題と解決について

近藤 博史1, 持田 真樹2, 川井 達郎2, 山口 剛史3, 寺本 圭1 (1.鳥取大学医学部附属病院 医療情報部, 2.セコム山陰, 3.GE ヘルスケア日本)

開発運営する医療連携システムは世界標準IHE-XDS, XDS-Iおよび日本標準SS-MIX2を用いたシステムだが、保守時期における問題点をいくつか経験したので報告する。方法:運営する医療連携システムにおいて、稼働2010年から現在2018年5月までの保守上の問題を調査した。結果:医療連携システム検査、薬剤コードなどコンテンツの標準化は保守時にも改善の継続が必要だったが、導入時期の問題でもある。一方、各病院のSS-MIX2サーバの停止事故、情報提供病院のベンダー変更システム更新時の前のシステムのデータの扱い、DICOMサーバへ院外CD画像を書き込む場合のタグ情報入力違反、あるいはサーバ側の接続病院増加対応は保守時期の問題として上がった。SS-MIX2サーバの稼働は院内からは見えず、各病院のサーバ生死管理等の強化が必要であった。ベンダー変更時では完全な電子カルテデータの移行は困難で、新旧2台のSS-MIX2サーバを用意し、センター側から2つの病院のように対応した。DICOMサーバについては外部画像のCD取込時のタグ情報変更に入力違反が発生していた。このため外部画像は参照の対象外にした。接続病院の増加に対してはゲートウェイサーバの増設が必要なるが、仮想サーバ基盤では対応が容易であった。考察:病院間通信からサーバセンターの管理部分を世界標準で運営しているため保守時点の問題は減少すると考えていたが、電子カルテからSS-MIX2変換はベンダー依存し、SS-MIX2のコンテンツ自体もHL7の自由度から相違があった。一方、CD画像のDICOM保存時のタグ情報入力違反については日本文字の宣言が異なるためであった。院内取り込み時のタグ情報入力をCD画像作成病院に合わせることも難しく、将来のEHR像からも不要と判断したが、経過処置は検討する必要がある。サーバ仮想化の有効性は地域連携の維持フェーズでも言えた。