Japan Association for Medical Informatics

[4-K-1-2] PHR利活用研究事業における患者リクルートおよび情報の利活用の患者の意識に関する調査報告

吉田 真弓, 山本 隆一 ((一財)医療情報システム開発センター)

背景:政府の掲げる基本方針では、PHR基盤として全国保健医療情報ネットワークを整備し、2020年には本人が生涯の健康情報を利活用可能なPHRの構築を目指している。我々も、平成28年度よりAMED研究事業にて「医療保険者・疾病管理事業者・医療機関等が連携した生活習慣病重症化予防サービスの標準化・事業モデル創出を目指した研究」を実施し、退職者や高齢者が多く医療費適正化を喫緊の課題とする国保を支援し、継続運用を目指すサービスモデルを検討している。目的:本事業で開発したスマートフォンのPHRアプリを利用し、患者本人が家庭測定のデータ値の入力を行う。事業説明会では、希望者にはスマホ貸出や操作レクも行い、患者が納得した上で同意取得を行ってきた。他にも IoTを利用した様々なPHR事業が取り組まれており、各フィールドでの対象者のリクルートや参加同意取得には多くの事業主体者が苦労しているが、計画に沿った滞りない運用と十分な成果を上げるためには、リクルートの方法の評価が重要と考え、これを評価検証する。方法:本事業では兵庫県西宮市、佐賀県多久市、福島県郡山市、福岡県那珂川町で実証を行っているが、様々な事情で、各々異なるアプローチを行い参加同意者の確保を行った。また、背景情報を得るために、4フィールドを含む県と比較対象となる東京、宮城を含めた6都府県の成人以上5150名に対しWebアンケートを実施しスマートフォンやIotデバイスの利用、PHR情報の利活用の意識やマイナンバーのカードの取得について調査結果の分析をし、事業の現状との検証を行った。結果:主治医からの紹介は候補者の検証対象になる割合は高いが、事業参加意欲はやや低く、PHR自体への関心も低い。保険者からの推薦は検証対象になる割合は低いが、事業参加意欲は高く、郡山市ではPHRへの関心も高かった。背景情報としても郡山市はスマートフォンの所持率も高かったが、マイナンバーカードの申請取得については他地域より1割以上低かった。