[2-F-1-01] 大学病院の医療情報システムから患者のスマートフォンアプリにデジタルで検査結果を送信するためのシステム開発
digital Personal Health Record (dPHR), MeDaCa, smartphone application, Hospital Information System, medical examination record
患者は、医療機関において自らの検査結果の受領を希望し、医師が了解すれば、紙で検査結果を受け取ることができる。パーソナルヘルスレコード(PHR)や,災害対策用個人医療データ保管等の視点で考えると,情報の受渡がデジタルでできることが望ましい。私たちは、過去の本学術集会において、臨床検査会社のサーバとスマートフォンアプリケーションMeDaCa®をセキュアに接続し、クリニックの主治医の指示のもと臨床検査会社のサーバから患者のスマホに検体検査結果をデジタルで送信する仕組みを報告した。しかし、クリニックにおいて採取する検査データは、血液や一部の生理、画像検査に限られておりPHRとして患者が保有する価値の高いデータは病院に存在する。本研究では、病院の医療情報システム (HIS)から、処方箋や薬情報提供書控え、検体検査、内視鏡レポート、レポート添付のキー画像を、患者のアプリに直接送信するシステムを慶應義塾大学病院に構築した。HIS から外部へのデータ送信は、HIS内DMZ域にAPIサーバを設置し、電子カルテと連携することで対応した。また処方 箋控えなどは調剤支援システム、レポートの外部送信はレポート参照部門システムに機能追加した。通信はアプリ側の Amazon Web Servicesと VPN 接続することで、外部にデジタル送信する仕組みを構築した。慶應義塾大学病院では外来を中心に本年7月 より本格的に運用が始まる予定である。(本研究は、JST未来社会創造事業、JST COIプログラム、及び内閣府AIホスピタルプロジェクトによる支援により行いました)