Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-02] 働き方改革・医事熟練者の業務を分析しDWHでその要素を自動抽出させたDPC運用フローの構築とそのトリガーの検討

渡邉 勝1、白根 礼造2、外山 理江1 (1. 宮城県立こども病院 診療情報室, 2. 宮城県立こども病院 副院長 診療部長)

DWH, DPC, Process flow

【はじめに】人間や人工知能(AI)が正確に“判断”をするには、必要要素の抽出を要し、その量と質が判断の結果に影響する。今回、DPC係数マネージメントをするにあたり、請求フローに医事経験のない診療情報管理士の追加介入を検討した。的確な判断が出来るように、医事業務を分析しDWHで判断要素を自動抽出させる効率的な運用の検討を行ったが、要素の質ではなく、抽出するタイミングが重要であることが分かった。

【方法】医事熟練者が医事データの修正を要した内容について、判断に要した要素を洗い出し、それを電子カルテDWHで抽出する、初心者でも判断できるシステム構築を行った。

【結果】効率的な入力を追求し、入退院確定やDPCの入院期間Ⅲ超え時に判断要素を自動で大型モニターに表示させたが、入院直後に要素を集めても情報が不十分で、検査結果等が確定後、再度確認する必要があったため、入院“翌日”での要素抽出へ変更した。緊急入院の場合は、入院直後は確定的な情報が少なく、“入院10日後”をトリガーとして確定情報を再度抽出させた。①退院確定等すぐ確認が必要な要素②手術・救急情報等内容が確定後入力すべき要素のトリガーに分けて、それぞれ3分おきの自動モニター表示やリストの自動印字を行った。確認するべき要素の抽出は、電子カルテに情報がない時に行っても入力が出来ず非効率であり、トリガーを要素が集まる時に合わせ抽出することで要素を生かした正確な判断を可能と出来た。

【結語】既存のレセプトチェックシステムは、相関により不備の“削除”作業をしている。一方、今回の取組みは、DWHから要素が入力された時を判断し、それをトリガーとして必要な“追加”を気付かせる新たな手法となっている。この業務フローは、効率的かつ経験を問わない業務の構築が可能であり、医事のみならず診療記録や医療安全等に応用出来、業務改善の新たな手法と考える。