Japan Association for Medical Informatics

[3-B-2-03] 入院時の患者情報からの退院時 Functional Independence Measure 予測

小阪 勇気1、細井 利憲1、久保 雅洋1、亀田 佳一2、井上 姫花2、奥田 明2、久保 文郁2、伊藤 美由貴2 (1. NEC データサイエンス研究所, 2. 医療法人社団 KNI)

Functional Independence Measure, Prediction, Regression

回復期リハビリテーション病棟にとって、入院時の患者情報から、退院時のFunctional Independence Measure(FIM、日常生活動作に関わる運動/認知機能を測るための指標)のスコアを患者個別に予測することは、患者の個別性を踏まえたリハビリテーション計画を立案するために重要である。FIMは、18項目から構成されるため、素朴には18個のモデルを作り、それらを独立に学習する方法が考えられる。しかし、その18項目には関係性があり、関係性を含めてそれらを同時に学習すれば、予測精度の向上が期待できる。そこで、本研究では、18項目のモデル間の関係性を含めて同時に学習する手法を提案する。データは、医療法人社団KNI 北原リハビリテーション病院の電子カルテ(2018/1-2019/3)を用いた。この期間に入院し退院した患者のうち413人(男性229、女性184、年齢40-90才代)を分析対象とした。特徴量は、性別、年齢層、入院時のFIM等、269種類を用いた。モデルにはリッジ回帰、評価方法には10-fold交差検定、評価指標には平均絶対誤差を用いた。提案手法と、18個のモデルを独立に学習する方法の予測精度を比較した結果、18項目の平均絶対誤差の平均は、それぞれ0.903、0.922であった(p < 0.01)。この結果から、18項目のモデル間の関係性を含めて同時に学習することによる予測精度向上の効果が示された。