Japan Association for Medical Informatics

[3-P1-1-05] バイオバンク付随情報の精度向上を目指した病院情報システムとのオンデマンド連携

松村 亮1、波多野 賢二1、服部 功太郎1、宮下 由紀子1、横田 悠季2、吉田 寿美子3、永井 秀明4、後藤 雄一1 (1. 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター, 2. 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部, 3. 国立精神・神経医療研究センター病院, 4. 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター)

biobank, WebAPI, bioresource

【背景・目的】当センターでは、診断・治療法の開発基盤となるバイオバンクの構築を進めており、バイオリソースと併せて臨床・研究情報を集積し独自開発のバイオバンク情報管理システムに登録している。近年はバイオリソースの企業・研究機関への払出増加が顕著であり、事業当初から付随して提供している情報をはじめ、投薬内容や検体検査結果等の提供希望が増えている。同時に月間100例を超える確度の高い診断名登録も必須である。これら登録すべき情報量の増加に伴い、情報の質の担保や登録の迅速性は不可欠であった。
そのため必要な情報が容易に参照でき、且つ精度の高い情報を取得することを目的としてWebAPIを利用したシステムを構築、工夫を行ったので報告する。

【方法】病院の診療系のネットワーク(以下NW)にWebAPI用サーバを設置し、診療情報を取得するAPIを実装した。クライアントから患者IDをパラメタに問合せを発行すると、データを取得しWebAPIの標準データ交換フォーマットであるXML/JSON形式で返却する仕様とした。同一NWのバイオバンクWebサーバよりWebAPIにアクセスし情報を取得後、バイオバンク情報管理システムから参照するため、異なるNWのMS SQL Serverに格納した。情報は患者IDや日付をパラメタとして閲覧できるよう設定した。構築は.Net言語およびVBScript、FileMakerスクリプトで行った。

【結果・考察】WebAPI機能を利用したシステム構築により、これまでマニュアル入力であった投薬内容や検体検査結果は閲覧・選択のみで登録が可能となり、精度の高い情報取得や時間効率化に貢献したと考える。また保険病名を排して重みづけされた病名情報も取得可能であり、確度の高い診断名登録が期待できる。今後も増加するバイオリソースに対し、質の高い情報管理が可能になるよう更なる改良に寄与したい。