Japan Association for Medical Informatics

[3-P2-3-04] 在宅で重症児を養育する家族の負担を軽減するAI活用場面の検討

横関 恵美子1、山本 耕司2、小川 佳代1 (1. 四国大学看護学部看護学科, 2. 四国大学経営情報学部メディア情報学科)

medical technology, seriously handicapped children, home, Artificial Intelligence

【目的】医療技術の進歩や在宅医療の推進によって、医療的ケアを受けながら家庭で生活する子ども(以下,重症児)が増加している。医療的ケアは医療機関で可視化した情報を確認できるが、意思疎通方法や反応の種類は感覚で理解していく必要があり、母親等の心的・物理的負担はかなり大きい1)。そこで、今回は、在宅ケアにおける家族の支援にAI技術活用の可能性を検討するために、現在、どのようにICT機器が重症児に使用されており、家族はどのように捉えているのか等について文献検討を行った。

【方法】文献の抽出は、医学中央雑誌Web 版Version5,CiNii,メディカルオンラインを用いて2000~2019年の検索を行った。キーワードは、「ICT/IoT/医療機器/モニター(生体機能モニタリング/データディスプレイ)」、「子ども/小児」、「障害」、「低出生体重児」、「家族」を組み合わせて検索した。分析の方法は、抄録の内容を確認し、「機器の種類」、「機器を使用していることで子どもをどのように捉えているか」が記載されている原著論文、研究報告を分析対象とした。

【結果】33件の文献を調査した結果、機器の種類は「人工呼吸器」、「保育器」、「生体モニター」、「人工内耳」、「タブレットPC」、機器を使用している子どもに対する家族の関わりは、<機器を活用して子どもの変化や意思を読み取る>、<アラーム音が鳴ることへの不安やストレス>、<機器による物理的な距離感のため子どもに触れることをためらう>のカテゴリーに分類できた。【結論】得られた結果から、今後AIの活用を検討していくためには、重症児や家族とって負担のないデータ収集方法を考えることが必要である。文献1)在宅で医療的ケアが必要な子どもの養育を継続している母親の体験:横関恵美子,小川佳代,日本小児看護学会第27回学術集会講演集,201,2017.