一般社団法人 日本医療情報学会

[4-E-1-02] B型肝炎再活性化モニターシステム開発とSS-MIX2を利用した汎用化の取り組み

西川 彰則1,2,3、永橋 佑樹4、末吉 章浩4 (1. 和歌山県立医科大学附属病院 医療情報部, 2. 和歌山県立医科大学附属病院 輸血部, 3. 和歌山県立医科大学 血液内科, 4. NECソリューションイノベータ株式会社)

hepatitis B virus reactivation, alert ordering system, SS-MIX2

【はじめに】リツキシマブをはじめとする抗体薬や免疫抑制剤の使用によるB型肝炎再活性化は致死的な転帰をたどることもあり、リスクのある患者を的確にモニターするシステムを導入することは医療安全上不可避である。

【目的】当院は2017年電子カルテ更新(NEC社製 MegaOak HR)に合わせ、結果確認漏れ防止アラートシステムを導入した。今回は、アラートシステムに追加する形でB型肝炎再活性化リスクのある患者に定期的に検査実施を促すアラートを実装した。また、和歌山県立医科大学ではSS-MIX2標準化ストレージを介して、電子カルテベンダーによらず汎用的に利用可能なアラートシステムの開発に着手しているので併せて報告する。

【システム概要】B型肝炎再活性化リスクのある薬剤がオーダーされた場合に、当該患者のB型肝炎検査が未施行であれば、B型肝炎検査(HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体)を促し、感染・既感染であれば、HBV-DNA定量検査を定期的に行うようにアラート通知を行う。更に「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」に従い、HBV-DNA定量検査のモニター間隔やモニター終了も薬剤ごとに設定可能とした。また、他社製の電子カルテにおいてもSS-MIX2標準化ストレージを介して、同システムを稼働させる仕組みを構築中である。

【まとめ】B型肝炎再活性化対策は、個々の病院やカルテベンダーに特化した形でシステムの構築が行われているが、SS-MIX2標準化ストレージを介した汎用的なシステムが利用できれば、多くの病院で利用可能となるだけでなく、個別の開発費が不要となり有益と思われる。