Japan Association for Medical Informatics

[4-P1-3-04] 遠隔地の看護研究指導に関する遠隔講義とチェックリストの工夫

遠藤 良仁1、菖蒲澤 幸子2、斎藤 美香3、佐々木 恵3 (1. 岩手県立大学, 2. 日本赤十字秋田看護大学, 3. 盛岡赤十字病院)

Nursing Research, Video Conference, Check list

現在、多くの保健医療福祉系施設において看護師による看護研究が行われている。一般的には、看護研究は全般的な運営を看護部内の研究委員会等が担いながら病棟毎に選出された看護師が大学教員等の外部講師の助言を得て年度内の執筆を目指して進められることが多い。
これまでA病院では研究委員が研究計画書の作成段階で助言をしていた。ところが自学を推進するツールが無かったこともあり、基本的知識の確認から行わなければならず、時間内では議論が深まらなかったり、さらに時間を要したりしていた。そこで大学教員が研究計画書検討会へ同席するようにしたものの所属大学が他県にあり遠距離の移動が必要であった。
そこで、教員の移動に要する時間を不要にするため検討会は遠隔講義の形態とした。さらに、限られた時間での検討会をより効果的にするため、事前に研究計画の基本的事項を自己点検できるチェックリストを配布し、研究計画書とチェックリストを提出してもらった。なお、遠隔講義は大学と病院のインターネット環境でweb会議ツールのAppear.inを使用し、事前に接続テストを行い手順等の確認を行った。
今回、時間的制約が多い臨床の看護師を対象とした遠隔授業の有効性を実証するためA病院で今年度看護研究を行う看護師13名と看護研究委員6名を対象に遠隔講義後に自記式アンケート調査を実施した。
調査内容はチェックリストの使用の有無と有効性の自覚、遠隔講義に関するメリット・デメリット、日常的なICTの利用と遠隔教育への興味関心等である。
結果、チェックリストを用いることによって時間を有効に使えた実感や計画検討会がより充実した実感が得られた傾向が見られた。また従来の他面型と比較しても音声の聞き取りやすさや質問のしやすさが低下することはなく画面共有機能を使いながらデータやWebサイトを見るメリットを実感していた。