Japan Association for Medical Informatics

[2-D-3-06] 長期間eGFR評価システムの開発

*Yoshihisa Sugimoto1, Shinji Kume2, Shinichi Araki2, Takashi Ashihara1 (1. 滋賀医科大学附属病院医療情報部, 2. 滋賀医科大学腎臓内科)

long term evaluation, chronic kidney disease, eGFR


【背景】高齢化に伴い慢性腎臓病(以下CKD)が増加しており、早期に専門家が介入することが求められている。eGFRの変化がCKDの進行と一致することが知られており、その変化を検討することで最終透析に至る時期を推測することが可能である。しかしながら、通常の電子カルテで検査歴を時系列で表示した場合、せいぜい10計測点での数値が表示され、それをグラフ化しても全体の傾向を掴むことは困難である。我々は電子カルテのデータから長期間のeGFRおよびその他の腎機能指標をグラフ化し日常診療に使えるようなツールを開発したので報告する。
【方法】電子カルテのデータベースから、eGFR等のデータを抽出し、グラフ化してWebアプリとして表示する。サーバはLinuxで開発言語はPerlである。
【結果】電子カルテで患者を選択し、メニューからツールを選択するとグラフが表示される。eGFRの変化は最小二乗法で近似直線も描画し、eGFRが10ml/min/1.73m^2になる点を透析導入予測日として計算する。治療効果評価用にU-TP/U-Cre比、U-Alb/U-Cre比、シスタチンGFRを同時に表示することが可能である。本システムの導入により、他診療科から腎臓内科への紹介が増加した。
【考察】電子カルテ機能でもeGFRの経時変化を見ることができるが、近視的な評価になりがちである。本システムではデフォルトで10年分のデータを採取して、20年間の変化を近似直線で表示しているため、例え現在のeGFRが正常値であっても将来のCKDの発症を推測することが可能である。このような可視化により、現場の医師がCKD可能性を認識し、腎臓内科への紹介が増加したものと考えられる。
【結論】長期間eGFR評価システムの導入により、CKDの早期発見ができた。臨床検査値を長期間のデータで大局的に評価することは臨床能力の向上することが示唆された。