Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-02] 検体検査追加依頼受託可否判断支援のための必要検体総量計算およびスポイト滴数表示アプリケーション作成

*Ayumi Yonekura1, Takashi Hayashi1, Satoshi Ito1, Ryota Maruhashi1, Kanami Nishida1, Katsunari Kina1, Kazunori Miyake1 (1. 順天堂大学医学部附属浦安病院臨床検査医学科)

clinical laboratory test, blood sample volume, number of drops, web application


臨床検査での検体検査項目は多岐にわたり、日常業務で全てを把握することは極めて困難である。病院検査室では、医師からの依頼に応じ、検査が終了した残検体を用いて追加検査を行うことがある。検査の追加は、追加項目の必要検体量に対し、検体残量が十分である場合のみ承諾できる。臨床では追加検査の可否で患者に再採血を指示するか決めるため、検査室での判断の誤りは許されず、また、迅速な回答が求められる。現状では追加項目の必要検体総量をシステム上把握し、表示させるツールはなく、また、それらの測定機器も様々であることから、検査追加依頼を承諾するかどうかは現場担当者の経験に委ねられている。そのため、経験の浅い担当者では、検査追加依頼を承諾したものの検体残量が足りずに測定が出来ない、追加項目数が多く回答に多くの時間を要する、反対に、実際には測定可能であるのに検体残量不足と判断し、検査追加依頼を断ってしまうといったトラブルが発生する。このような背景から、我々は検査追加依頼を受ける際に必要検体総量を算出し、さらに、迅速な検体残量把握のために必要検体総量をスポイト滴数で表示させるアプリケーションを作成したので報告する。病院におけるセキュリティやネットワーク環境を鑑み、特別なアプリケーションのインストールを必要とせず、また、インターネットに繋がっていなくても使用できるようにするためJavaScriptによるWebアプリケーションの形式にした。これにより、スマートフォンやタブレット端末での使用も可能であるため、利便性が向上した。検査項目のチェックボックスにクリック操作やタッチ操作でチェックを入れることで必要検体総量が算出され、スポイト滴数が表示される。検体の取り扱いには日常的にスポイトを使用していることから、スポイト滴数での必要検体総量表示は非常に有用であり、正確かつ迅速なオペーレーションに寄与すると期待される。