Japan Association for Medical Informatics

[3-E-2-03] 初診患者初診予約受付時の紹介状の取り扱い等に関する課題と解決への取り組み

*Yukie Okada1, Masami Mukai1,2, Katsuya Tanaka2,1, Hiroaki Hasegawa3, Ryota Eguchi3, Naoki Mihara2,1 (1. 国立がん研究センター中央病院医療情報部, 2. 国立がん研究センター情報統括センター, 3. ファインデックス株式会社)

HIS, Scan system, Referral letter, FAX


【背景】当院では初診患者はほぼ全て紹介患者である。その初診予約申込受付は一部の患者を除き原則電話で受け、紙の管理簿により管理されていた。COVID-19由来による予約変更も同じ予約センターで受付を行ったため電話応対の処理が追い付かないことがあった。また当院では患者IDの発番は初回来院時に行う運用であるため紹介状等の情報は診察当日に電子カルテに取り込まれる運用であった。このため既往歴などの情報を医師が初診時まで確認することができなかった。【目的】システム化による紙運用の廃止、初診患者の予約受付業務改善、初診診察前の診療情報共有の実現。【方法】最初に、スキャンした紹介状をPDF化、一括管理し当該文書を管理IDで検索できる「仮登録紹介状参照システム」を構築した。次に、これまでの電話による受付を縮小し全診療科の予約をFAXで受付ける運用とした。FAX受信した紹介状を予約センターでスキャンすることで紹介状に対する管理番号が自動で割りあてられ「仮登録紹介状参照システム」でPDF文書として管理される。その後、予約センターから担当医に管理番号が通知され、医師は「仮登録紹介状参照システム」上で管理番号をキーとして当該紹介状を検索し閲覧することとした。【結果・考察】紙の管理簿を廃止しシステムによる電子的な紹介状管理が実現できた。FAXを受取ってからシステムで医師が紹介状を閲覧するまでの時間は平均5.1時間であった。さらにFAXによる受付運用に変えたことで予約センターの電話応対時間を削減できた。また医師へ事前に情報を伝えることで診察前に患者の状態を把握することができた。今後は初回来院時に付与される患者IDに対して電子化済みの紹介状の紐づけ処理を行えるよう改良を行う予定である。【結論】「仮登録紹介状参照システム」を設計、構築し、運用フローを改善したことで、業務の効率化を図ることができた。