[3-F-1-04] リアルワールドデータを扱う人材に必要なこと
real-world data, human resources, data quality, standardization, IT
本セッションでは、SWG2が進めている人材育成に関する取り組み全体のフレームと、医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)への出向を含めた個別事例を紹介する。
本邦におけるリアルワールドデータを用いた先行事例として、PMDAによるMID-NET等があげられる。本事業で育成すべき人材を、データの品質を管理する人材、データの標準化を担保する人材、それらを支えるIT化人材とした。この3分野の人材が満たすべきスキルを検討するため、先行事例の構築ないし運用の過程で生じた課題などを調査し、それを基に「人材育成目標」の初版を策定した。
並行して、日本HL7協会によるSS-MIX2標準ストレージ検証やSEAMATの導入作業、標準化作業などを利用したOJTやハンズオンを通じた人材育成活動を行った。
今後は、外部の研究教育団体などとの研修教育連携も視野に入れた育成の道筋も検討する。
一方、医療情報の二次利用においてデータの信頼性を担保するためには、データの品質管理ならびに標準化手法が重要である。MID-NETの管理方法を学ぶ目的に、2018年11月から1年間、東北大学病院、慶應義塾大学病院、名古屋大学医学部附属病院、九州大学病院から計5名がPMDAへ出向した。
出向者の品質管理担当1名は、病院情報システムの情報がSS-MIX2に正しく格納されることを担保する手順等を学んだ。標準化担当4名は、MID-NET標準化対象5種別について、施設独自のローカルコードと標準コードのマッピング手法を学んだ。
現在、東北大学病院ではこれらを活かし、SS-MIX2チェックツールを用いたトランザクションログの精査、傷病名における標準コード付与のツール化などの検討を中心に、データの品質管理と標準化に資する業務を行っている。今後は、本事業参加機関へ提供できるコンテンツの作成を目指す。また、現在第2陣の4名がPMDA出向中である。