Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-06] 看護記録における看護情報支援用スマホの利用状況の実態調査

*yuuki masaoka1, Hiroyuki Mekata1, Tsuyoshi Yamamoto1, Kanayo Ueda1, Koji Uemura2, Haruhiko Hiramatsu3 (1. 国立循環器病研究センター 医療情報部、, 2. 国立循環器病研究センター 研究推進支援部, 3. 国立循環器病研究センター 情報統括部 )

nursing information systems, smartphone, nursing work


【背景・目的】当院では昨年度のシステム更新に際して,看護記録が入力できる看護情報支援アプリが実装されたスマートフォン(以下スマホ)を,全看護職員に配布することで看護業務の効率化を期待した.しかし,システム更新1か月後時点でのヒアリングでは,看護記録入力支援や業務改善に役立つという結果は得られず,ノートPCの方が利便性が高いという意見が多かった.その後、一部の病棟には利用方法の周知などを行ってきた.今回,システム更新後半年が経過した時点での看護記録におけるスマホの利用状況の実態調査した結果を報告する.

【方法】システム更新から約半年経過後の2020年1月~4月の看護記録を対象として,特殊病棟以外の病棟での入力端末情報を抽出,病棟別や利用者の年代別にスマホからの入力割合を調査する.また,アンケート調査も実施し,スマホの利用実態を考察する.

【結果】スマホを用いた看護記録の病院全体の入力割合は,記事:0.2%,観察ケア:5.3%.病棟別では,記事:0~0.5%,観察ケア:0.1~41.8%の幅があり,スマホで指示を確認している病棟で高い傾向がみられた.年代別では,記事が20歳代:0.1%,30歳代:0.2%,40・50歳代:0%,観察ケアが20歳代:3.7%,30歳代:8.4%,40歳代:9.1%,50歳代:2.5%であった.

【考察】病棟での偏りは見られたが,スマホの活用が進みつつあることがわかった.入力割合が高い病棟は、業務整理や副看護師長による積極的な活用方針が背景にあることもわかった.しかし,PCとの差別化,特にスマホの利便性を向上させる機能の不足が利用が広がらない原因と考えられる.個人用に配布したスマホが,インターネット接続による様々な情報検索と収集に広く活用されていることも判明していることから,今後,スマホを意識した看護記録の記載や情報の確認機能の拡充を図っていきたい.