Japan Association for Medical Informatics

[4-C-1-01] 重症心身障害児に特有な表情筋の微細変化とその特徴量抽出

*Emiko Yokozeki1, Yuri Ikemoto1, Tomoki Kozima1, Kida Kikue1, Kohji Yamamoto1 (1. 四国大学)

Severely Handicapped Children, Changes in Response, Facial Muscles


【目的】
相手の感情を読み取る際、言葉以上に重要になるのが表情やしぐさなどの非言語コミュニケーションであると言われているが、その解釈は、人種や社会的背景、生活習慣などによっても異なる。そのため、表情解析の評価における感情レベルをそのまま日本人に適用することは難しい。特に、重症心身障害児(以下,重症児)は意思表示や反応が微細であるため、その変化が捉えにくく、家族も専門職者も重症児と時間をかけて関わり理解している。そこで、筆者らは「重症心身障害児の微細な反応を検知し、解析結果をお知らせするシステムの研究開発」に取り組み、重症児のケアに関わる家族や専門職者の負担軽減を目指している。その過程で重症児の反応を表す表情筋変化に着目し、重症児特有の変化と共通の変化の存在することを見出した。そこで、今回は健康な成人の表情筋変化についてデータ採取し、重症児の変化と比較検討した。

【方法】
調査は、連続した24時間のデータ収集を可能とするIoTセンサーを利用した。データ収集の種類は、生理学データ、表情筋の変化、音声データ変動である。心拍数の時間変化と表情筋変化について、イベントとの相関をとって違いを分析した。時間軸で変化する表情筋のアクセスユニットデータを抽出して解析し、生理学データの変化、イベントとの相関関係、研究協力者の応答も合わせて解釈分析した。表情筋の収縮変化は、統計ソフトSPSSVer26を用い、Mann-Whitneyの U検定(有意水準は5%)を行った。

【結果】
イベント前後で、心拍の変化及び特定の表情筋収縮に変化がみられ、統計学的にも有意差があった。

【結論】
健康な成人と重症児の表情筋収縮変化には、共通する項目と異なる項目が存在することを見出し、その特徴量の抽出ができた。