Japan Association for Medical Informatics

[2-E-3-06] DPCデータ様式1の入力項目変更とデータ分析への影響について

*Takako Nakamura1, Hinaka Toyama2, Michio Kimura1 (1. 浜松医科大学 医療情報部, 2. 医療データサイエンス研究所)

Continuity of DPC survey data, Facilities before the hospitalization, Facilities after the discharge, The same disease as previous hospitalization

【背景】 DPC調査データは多くの臨床分析に用いられているが、一方で、データ項目の見直しが継続的に行われている。見直しには、新しい項目の追加、項目の定義の変更、精緻化などがあり、分析の継続性に影響があると考えられる。 【目的】DPCデータ項目の定義の変更が分析に与える影響について検討する 【方法】対象データ: DPC調査データ様式1、Dファイル 2010年度~2018年度 ( 105,420件) 調査方法: (1) DPCデータ様式1にDファイルを結合する。 (2) 調査対象項目を入院経路、退院先、前回同一疾病入院とする。 分析方法: (1) 入院経路、退院先の分岐を樹形図にして、各項目の比率から変更の意味を考察する。 (2) 前回同一疾病入院では、6桁を2桁に広げた場合の該当症例数の比率を出す。 【結果】 (1) 入院経路の一般入院は2010年度98.3%、その他病棟からの転棟は0.1%だった。変更後2018年度には(家庭からの入院96.8%、介護施設・福祉施設に入所中0.1%)、(院内の他病棟からの転棟0.1%、他の病院・診療所の病棟からの転院0.8%)主に転院による入院が増加していた。 (2) 前回同一疾病入院の該当症例数の比率は、6桁の2010年度~2013年度では06(消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患)4.3%、05(循環器系疾患)1.6%、04(呼吸器系疾患)2.1%だった。2桁への変更後2014年度~2018年度06は6.3%、05は5.1%、04は3.5%だった。 【考察】入退院については、集約して遡登れば変更前の一般入院、その他病棟からの転棟に戻ることができデータの継続性は保たれる。精緻化の結果、社会の変化が反映されている。同一疾病は2桁大分類により、より疾病の広がりが多い。 【結語】 DPC調査データ様式1の入力項目の変更について、変更によりデータの継続と引き換えになるメリット、デメリットを検討した。