Japan Association for Medical Informatics

[2-H-2-01] 臨床研究画像収集システムを用いた多施設共同臨床研究における臨床画像データ収集の効率化

*Katsuki Okada1,2, Shirou Manabe2, Toshihiro Takeda2, Yasushi Matsumura2,3 (1. 大阪大学大学院医学系研究科変革的医療情報システム開発学, 2. 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学, 3. 国立病院機構大阪医療センター)

Medical Image Collection System, Clinical research, Electronic Data Capture

多施設共同臨床研究では臨床画像を各施設から収集する臨床研究も存在する。我々は、臨床研究における画像収集効率化を目指し、収集臨床画像の選択、匿名化処理、送信を自動化する臨床研究画像収集システム構築を進めている。本システムは、我々が開発した電子カルテシステムと連携したEDCシステムである臨床データ収集システム(CDCS:Clinical study Data Collecting System)とも連携可能で、症例登録後にCDCS内の情報をトリガーとして、収集臨床画像を特定し、匿名化処理後、大阪大学医学部附属病院に設置する臨床研究画像用PACSに自動的に送信することが可能である。今回、パイロット的に大阪大学医学部附属病院で検証していた本システムを、関西圏の臨床研究ネットワークであるOCRネット(大阪臨床研究ネットワーク)での多施設共同研究で利用し、効果を検証した。10施設が参加の脳卒中レジストリ研究では、CT・MRI収集に、3施設で本システムを導入し、2020年9月から2021年6月までに368症例の画像をCDCSへの症例登録後自動的に収集することができた。また、8施設が参加の心房細動アブレーションに対する介入研究の二次解析目的での追加の心臓CT収集に、本システムを導入した。後ろ向きの収集では、対象症例の研究ID、対象画像検査実施日の一覧を各施設で作成し、本システムに登録することで収集を行った。5施設280症例を本システムで、3施設232症例を各施設からの記録媒体の郵送にて収集を行った結果、本システム利用施設からは、収集開始後平均39日で全5施設からの収集を完了したが、記録媒体郵送の3施設からは、収集開始後60日の時点で、30症例の収集に留まっている。このように、本システムを用いることで、多施設共同臨床研究における臨床画像データ収集を効率的に行うことが可能であると考えられる。