[2-I-2-02] Establishment and Management of Japan-Medical Image Database by Japan Radiological Society
artificial intelligence, database, medical image, radiology
放射線科関連の画像診断技術の急速な進歩や普及に伴って、医療被ばく管理や検査の適正使用・精度管理、画像の標準化などの課題が明らかになり、近年では学会主導の信頼性の高い人工知能(AI)による画像診断支援システムの構築が社会的に求められている。これらの問題を解決するため、日本医学放射線学会ではJapan Safe Radiologyプロジェクトを進めている。その基盤として、2016年度からのAMED研究で、国内の医療機関からDICOM画像情報及びレポート情報を収集するシステム(Japan-Medical Image Database:J-MID)を構築した。J-MIDは医療資源の一元管理を目的として、順天堂大学、東京大学、慶應義塾大学、大阪大学、岡山大学、京都大学、九州大学の7大学のCT画像と診断レポートを悉皆的に収集し、九州大学に設置したサーバーに保存している。さらに国立情報学研究所(NII)クラウド基盤にも送信して工学系の研究者も使用できる環境となっている。2020年11月からMR画像も収集を開始し、これまでに収集した画像は2021年6月末時点で約2億5千万枚(CT検査80万件、MRI検査4万件、特定疾患用アノテーション1600件)を越え、日本語レポートと医用画像が対で揃っているJ-MIDは我が国の画像診断系リアルワールドデータとしては類を見ない規模となっている。また、画像を提供する7大学病院に共通の教師データ作成ツールを導入し、正確な臨床情報をもとにアノテーションを付けることが可能で、AI開発に適切な症例を短期間で大量に収集できる体制を構築した。現在、ナショナルデータベース化を推進しつつ、社会実装を目的としたAI開発研究基盤へと発展を目指している。