Japan Association for Medical Informatics

[2-P-3-02] 北海道における要介護(要支援)認定率と介護サービス利用状況の空間パターン分析

*Kazuki Ohashi1, Kyohei Bando1, Katsuhiko Ogasawara2 (1. 北海道大学大学院 保健科学院, 2. 北海道大学大学院 保健科学研究院)

Long-term care, Spatial autocorrelation, Homecare, GIS

[背景] 介護保険制度が導入されて以降、高齢者とその家族の生活を支える制度として普及してきた。しかし、都道府県によって介護認定率や介護サービスの供給に差があり、隣接する都道府県の影響を受けることが報告されている。しかし、北海道では都道府県単位の分析ではその実態を十分に明らかにできず、保険者単位の分析が有効であるといえる。 [目的] 北海道内の介護保険者別の要介護(要支援)認定率と介護サービス利用状況の空間パターンを明らかにする。 [方法] 2015年と2019年の各保険者の性・年齢階級で調整した要介護・要支援認定率および第1号被保険者1人あたりの介護サービス別給付月額を用いて分析した。各変数の空間的自己相関をGlobal Moran‘s I統計量を用いて測定した。次に、Local Moran‘s I統計量を用いて、局所的な集積と外れ値を可視化した。分析にはArcGIS Pro (ESRI社, USA)を用いた。 [結果] 要介護(要支援)認定率のGlobal Moran‘s I統計量は、各年ともに0.22 であった。局所的に分析すると道央圏に認定率の高いH-Hクラスターを認め、道北圏には認定率の低いL-Lクラスターを認めた。軽度認定率(要支援1-要介護2)では、道央圏にH-Hクラスター、道北圏にL-Lクラスターを示し、各年とも同様の傾向であった。重度認定率(要介護3-5)では、道南圏や道北圏にH-Hクラスターが存在し、道南圏では各年とも同様の傾向であった。次に、在宅サービスの利用について空間パターンを見ると道央から道南圏にかけてL-Lクラスターがあり、在宅サービスの利用が少ない地域の集積を示した。 [結論]北海道内の要介護(要支援)認定率や介護サービスの利用には空間的な集積が存在した。また、認定率は重症度によって空間パターンが異なることが示された。