一般社団法人 日本医療情報学会

[2-P-4-04] 消費者実績情報とMR適合性情報を結合した統合型MR適合性情報管理システムの開発と有用性

*福永 正明1、宮﨑 嵩之1、的場 将平1、小笠原 貴史1、藤岡 斉2、関口 麻衣子2、田中 修2、山下 慧2 (1. 倉敷中央病院, 2. メディエ株式会社)

Magnetic Resonance Imaging, Implantable Medical Device, Magnetic Resonance Safety

【目的】当院は,資材課で管理されている消費実績情報から体内留置型医療機器(implantable ‌medical ‌device:IMD)を抽出し,メディエ株式会社が提供するmagnetic resonance(MR)適合性情報を医療機器マスタの管理コードをキーとして結合した統合型MR適合性情報管理システムを開発した.本研究の目的は,2020年7月時点と2021年6月時点間でMR適合性情報が更新された件数およびMR適合性カテゴリの変化を調査することで,統合型MR適合性情報管理システムの有用性を評価した.【方法】医療機器カテゴリは,体内に長期間留置される医療機器65種3493個を選定した.評価方法は,MR適合性情報を2020年7月時点と2021年6月時点間で比較し,MR適合性情報が更新された医療機器件数およびMR適合性カテゴリの変化を調査した.【結果】期間内に添付文書が更新されたIMDは,商品単位で749件(21.4%)であった.MR適合性カテゴリの変更は,51件(1.4%)で,MR conditionalの使用条件に変更が生じたIMDは181件(5.1%)であった.添付文書単位でみると35製品において,MR conditional使用条件が変更された.当院でMRI検査を受けた患者のうち,期間内に添付文書の更新があったIMDを留置されている患者数は,31名であった.【結論】添付文書が更新されたIMDは,1年間で21.4%であった.MR適合性カテゴリならびに使用条件が変更されたIMDが認められた.この結果から,MRI検査を施行する前には,IMDのMR適合性情報を確認する必要性があるため,統合型MR適合性情報管理システムは有用である.また,MR適合性情報が変更になることもあるため,常に最新情報を提示できるようなシステム開発が今後の課題である.