Japan Association for Medical Informatics

[2-P-5-02] DPCコーディング点検精度向上への取組み

*Maya Takahashi1, Sayaka Daigaku1, Mika Itou1, Kazuna Okita1, Haruna Moriya1, Atsushi Terasawa1, Yoko suenaga1, Masaharu Nakayama2 (1. 東北大学病院 医事課, 2. 東北大学病院 ITセンター)

Diagnosis Procedure Combination, Coding, Health Information Manager

【目的】
東北大学病院は1160床、44診療科のDPC対象病院である。月退院数約2,000人に対し、診療情報管理士(以下、管理士)がDPCコーディング(以下、コーディング)点検を行なっている。今回、管理士のコーディング精度向上を目的に体制強化及び精度自己分析を開始したので報告する。

【方法と結果】
全入院患者のコーディング点検90%以上を目標に2019年10月、管理士4名にて退院患者から任意抽出の点検体制から、管理士10名にて入院初日から全入院患者を点検する体制に変更した。これにより、体制変更前は点検割合月平均49%が、体制変更後は90%となった。2021年1月、コーディングの精度向上のため自己分析を開始した。詳細不明コード及び厚生労働省より発行されている「DPC/PDPS傷病名コーディングテキスト」より、原疾患へ検討が必要なDPCコード(以下、注意コード)を評価指標とし調査を行なった。毎月15日に前月分様式1データを抽出後、両コード使用症例を集計し管理士3名で調査を実施した。その結果、点検体制を変更したことにより、詳細不明コード使用割合は4%から3%以下へ減少。注意コード使用割合は2%から1%へ減少していることが分かった。しかし、指標を用いて症例の調査を行なった結果、コーディングの変更可能な症例もみられた。

【考察】
入院初日から全入院患者を点検する体制は、請求担当者からの病名や治療内容に関する問い合わせに適切に対応できる体制となり、不適切なコーディングの減少に繋がった。今後の課題は、変更されなかった症例の原因究明と調査結果を点検担当者へフィードバックし、不適切なコーディングの更なる減少に努めていくことである。

【結語】
コーディング点検は、DPC/PDPSの適切な運用に必要不可欠である。今後もコーディング精度の分析を継続し、課題解決に向けて取り組んでいきたい。