[3-B-1-01] 国内初の薬事承認を受けた画像診断AIについて
Deep Learning, Computer-Aided Detection, Cerebral Aneurysms, PMDA Approval
昨今、人工知能(Artificial Intelligence; AI)が医用画像診断の臨床現場で、医療機器として普及され始めている。無論、従来よりAIの臨床応用への研究・開発は行われてきたが、近年の深層学習(ディープラーニング)の発展により、さらに実用化に向けた取り組みが盛んになりつつある。
私は画像診断を生業とする放射線科の医師として、脳動脈瘤を検出するAI「EIRL aneurysm」の有用性を検証した。その結果、2019年9月に、脳MRI分野におけるディープラーニングを用いたAIでは、日本で初めて国の薬事承認を受けた。内視鏡分野では薬事承認を受けたAIが存在したが、画像診断領域では本製品が先駆けとなった。
EIRL aneurysmはAI技術を活用し、頭部MR angiography画像から未破裂脳動脈瘤と同様の特徴を持つ領域を自動で検出し、その位置を読影者に提示するソフトウェアである。コンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis; CAD)の中でも、病変検出を得意とする代物だ。CADソフトウェア単独での感度は91.1%であり、従来の特徴量抽出を用いた脳動脈瘤検出CADが80%台の感度であったのに対して、高い感度を示した。
では実際に、EIRL aneurysmは臨床現場で役立ちうるのか?それを2回の読影試験で実証したのが、私の研究である。1回目は放射線科の専門医と非専門医で比較し、2回目は実際に脳動脈瘤を手術する脳神経外科医と放射線科医で比較を試みた。放射線科の専門医、非専門医、脳神経外科医のいずれにおいてもCADを併用した場合の方が、脳動脈瘤の検出能力は向上した。この読影試験の結果を踏まえて、EIRL aneurysmの共同研究に携わってから足掛け3年、ようやく国内初の薬事承認が得られた。
現在、EIRL aneurysmは全国100施設以上の病院や診療所で利用され始めている。実際に使用したユーザーからのフィードバックを受け、EIRL aneurysmの性能改善に日々取り組んでいる。画像診断領域で日本初の薬事承認に携わった者としての観点も併せて、薬事承認されるまでの苦労や、社会実装までの道のりについて詳述していきたい。
私は画像診断を生業とする放射線科の医師として、脳動脈瘤を検出するAI「EIRL aneurysm」の有用性を検証した。その結果、2019年9月に、脳MRI分野におけるディープラーニングを用いたAIでは、日本で初めて国の薬事承認を受けた。内視鏡分野では薬事承認を受けたAIが存在したが、画像診断領域では本製品が先駆けとなった。
EIRL aneurysmはAI技術を活用し、頭部MR angiography画像から未破裂脳動脈瘤と同様の特徴を持つ領域を自動で検出し、その位置を読影者に提示するソフトウェアである。コンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis; CAD)の中でも、病変検出を得意とする代物だ。CADソフトウェア単独での感度は91.1%であり、従来の特徴量抽出を用いた脳動脈瘤検出CADが80%台の感度であったのに対して、高い感度を示した。
では実際に、EIRL aneurysmは臨床現場で役立ちうるのか?それを2回の読影試験で実証したのが、私の研究である。1回目は放射線科の専門医と非専門医で比較し、2回目は実際に脳動脈瘤を手術する脳神経外科医と放射線科医で比較を試みた。放射線科の専門医、非専門医、脳神経外科医のいずれにおいてもCADを併用した場合の方が、脳動脈瘤の検出能力は向上した。この読影試験の結果を踏まえて、EIRL aneurysmの共同研究に携わってから足掛け3年、ようやく国内初の薬事承認が得られた。
現在、EIRL aneurysmは全国100施設以上の病院や診療所で利用され始めている。実際に使用したユーザーからのフィードバックを受け、EIRL aneurysmの性能改善に日々取り組んでいる。画像診断領域で日本初の薬事承認に携わった者としての観点も併せて、薬事承認されるまでの苦労や、社会実装までの道のりについて詳述していきたい。