Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-05] 患者誤認防止のための顔認証システムの臨床応用

*Toshiyuki Shibuya1, Hiroyuki Ota1, Chikara Mano1, Keiichi Nomura2, Akira Takagi3, Daigo Hayashi3, Tomonari Taniguchi3, Tomoyuki Kubota3, Yuichi Nagai1, Yoshihisa Muramatsu1, Tatsushi Kobayashi4 (1. 国立がん研究センター東病院 放射線技術部, 2. 国立がん研究センター東病院 医療情報部, 3. キヤノンメドテックサプライ株式会社, 4. 国立がん研究センター東病院 放射線診断科)

Face recognition, Patient misidentification, RIS

目的
 臨床現場における患者認証は、電子カルテシステムの情報と患者の名乗り確認により行われている。しかし、従事者の思い込み、失念、ルール違反により患者誤認は発生している。本研究の目的は、新たに開発した患者の生体情報である顔を利用した顔認証システム(Patient Face Recognition System: PFRS)をCT検査に臨床応用し、運用のあり・なしに係る検査への影響を評価することである。

方法
 PFRS(キヤノンライフケアソリューションズ)は、顔画像登録用カメラと認証アプリケーションソフトで構成され、放射線部門システム(RIS)及びCT検査室内監視用カメラと情報連携される。検査効率の評価値は、運用ありでは入室からPFRSが作動し認証に成功するまでに要した時間(運用あり認証時間)とし、運用なしではCT検査室の入室から患者の名乗確認までに要した時間(運用なし認証時間)とした。 評価対象は、運用ありが153例、運用なしが50例 である。(倫理審査 研究課題番号2020-191)

結果
 運用あり認証時間は平均16.5秒±8.2、最大46秒であった。運用なし認証時間は平均10.8秒±1.8最大15.2秒であった。運用あり・なしにおける認証時間に有意差が認められた(p<0.001)。

考察
 顔認証の運用あり・なしでは、認証までの時間に有意差を認めた。顔認証のためにはCT検査室内監視用カメラに患者の顔が向く必要があり、誘導する動作が加わる。顔認証専用のカメラの設置やカメラの位置や画角を最適化する必要がある。また、現システムではマスクを着用した場合は、認証は不可である。

結論
 開発した顔認証システム(PFRS)をCT検査に適用し、運用のあり・なしに係る検査への影響を評価した。認証までにかかる時間は延長するが数秒の単位であり、カメラ環境の最適化やソフトウェアの改良により実運用は十分に可能と言える。