Japan Association for Medical Informatics

[3-C-2-08] 新型コロナウイルス感染症流行下における病院情報システム更改の経験

*Keiichi Nomura1, Satoshi Saitoh1, Yoshihiro Aoyagi1, Koji Oda1, Mikina Takiguchi1, Toshihiko Doi1 (1. 国立がん研究センター東病院)

COVID-19, Hospital Information System, Replacement

緒言
新型コロナウイルス感染症による緊急事態が2020年4月7日に宣言された。当院では病院情報システムの更改プロジェクトが2020年2月より開始しており、導入ワーキンググループ(WG)を進めていた最中であった。院内への立ち入り制限、ベンダの移動制限が発生しスケジュール変更を余儀なくされた。感染対策として病院に出入りするベンダ関係者の体調チェック、換気や手指消毒といった感染対策を講じながら設計・製造・テスト、本稼働の全行程を行いシステム更改開始から導入後までクラスタを発生することなく、更改プロジェクトを終了することができた。本報告では新型コロナウイルス流行下で実施した病院情報システム更改の経緯と感染防止策について述べる。
目的
緊急事態の宣言により、対面方式または現地作業が主である病院情報システム更改プロジェクトの実施方法の変更が必要となった。導入WGの開催方法、講じた対策方法について検討した。
方法
緊急事態宣言中の導入WGの開催方法はオンライン形式とした。宣言解除後、移動可能となったベンダはオンラインと現地開催を導入WGの内容によって使い分け実施した。病院に出入りする関係者は検温及び体調チェックを実施した。会議室には手指消毒を入室時に行い、打合せメンバが変わるごとに机の拭き上げ室内の換気を行った。システム入替当日に作業で出入りする関係者についてPCR検査を行った。
結果および考察
導入WGのオンライン化、感染対策を行うことで、プロジェクト内でのクラスタは発生しなかった。オンラインで開催した導入WGではシステムデモ機とオンライン会議システムとの接続ができないベンダがあり、開催が難しい場面も散見された。
結論
緊急事態宣言下にて病院情報システム更改を行った。感染対策を講じ、院内でのクラスタを発生することなく更改プロジェクトを遂行することができた。