一般社団法人 日本医療情報学会

[3-F-2-02] 画像診断レポートの既読管理システムとカルテ監査の導入の実際

*滝沢 牧子1、大石 裕子1、田中 和美1、小松 康宏1、平澤 裕美2、対馬 篤人2 (1. 群馬大学大学院医学系研究科 医療の質・安全学講座、2. 群馬大学大学院医学系研究科 放射線診断核医学)

diagnostic imaging reports, patient safety, communication error

当院では、画像診断レポートの確認不足による診断の遅れに対して、カルテ監査の実施をしてきた、さらに既読管理システムを導入し、2段階の対策を行い、その効果を定量的に評価した。レポート全体に対する対策として、本研究班で提案されたシステムの機能仕様を参考に、画像診断既読管理システムを新規に導入し、その前後で、画像診断レポートの既読状況を定量的に評価した。医師個人、診療科、病院の各レベルでの未読レポートの有無が確認できるようになり、未読率は減少した。また、重要所見のあるレポートについての対策としては、通知を行うとともに診療録の監査を実施し、対応状況を確認した。このようにカルテ監査は、病院情報システムの有無にかかわらず、実施可能で、既読管理システムの利点と組み合わせることでさらに医療事故防止につながる可能性がある。