Japan Association for Medical Informatics

[3-F-2-04] Organize countermeasure functions for incidents and accidents related to drug administration and countermeasures against alert fatigue

*Kazuyuki Ikeda1 (1. Nara Medical University Hospital)

Administration plan, Alert fatigue, unified specifications

本研究班では、日本医療機能評価機構医療事故情報や各病院のヒヤリハット事例から71の事例を集め類型化した。この事例は、6つの大項目と22の章項目にまとめられている。これら類型についてシステムの機能の側面から、1)投与計画の記録システムの導入、2)オーダ画面、処方箋への混同しやすい内容を併記、3)薬剤オーダシステムの更なる工夫、4)オーダ・指示登録時の警告、5)禁忌、重複、相互作用に関するマスタ、6)薬剤名に注意喚起するための記号を記す、7)薬剤部・調剤薬局との連携、8)PHR、9)関連するシステム上での工夫、の9つ機能とそれに付随する仕様に整理した。
一方、情報システムではオーダや指示の間違いを防止するため、入力者や利用者に対しアラートを発して注意喚起している。しかしこのアラートも発し過ぎると、「アラート疲労(alert fatigue)」と呼ばれる反射的に警告を消し、その警告を無視する行動につながりかねない。そこで、「アラート疲労(alert fatigue)」への対応が必要となる。この対策として、アラートの対象事象、アラートを無視した場合に起こる問題の重大性と頻度、アラートの敵作成・正確性、アラートの対象者、アラートの表示方法と消し方の制御、アラートの有効性の評価などを把握するアラートガバナンスの考え方が必要となる。「アラート疲労(alert fatigue)」への対応では、病院内でのアラートガバナンスの導入と全国での統一的な運用が望まれる。
このように安全を担保する医療情報システムの構築には、医療や情報系の関連学会並びに行政機関、情報システム開発ベンダなどが協議体を組織し統一した仕様を提示すべきである。これにより、効率的なシステム開発が可能となり施設間での安全性の格差の是正につながると考えられる。