Japan Association for Medical Informatics

[3-F-3-01] 問診回答を利用した健診受診者に対する糖尿病発症日数予測モデル

*Yutaka Hatakeyama1, Shigehiro Yasui1, Yuki Hyodo1, Mariko Hiyama1, Manabu Hirai2, Yoshiyasu Okuhara1 (1. 高知大学医学部附属医学情報センター, 2. 公益財団法人高知県総合保健協会)

Prediction model, Health Checkup Data, HbA1c

健診受診者における将来の糖尿病発症リスク評価のため、健診受診時の問診回答及びHbA1c値に基づくHbA1c≥6.5となる日数予測モデルを提案する。 高知県の健診施設における2003年から2019年までの健診受診者を対象データとしてモデル構築を行う。HbA1cの閾値を6.5(%)と定義し、状態空間モデルにより閾値を超えるまでの残り日数推定モデルを構築した。状態モデルで残り日数を定義し、観測モデルで各残り日数時点でのHbA1c値を定義した。状態モデルにおける残り日数の時間変移は前回受診時からの経過日数で定義する。観測モデルは閾値を超えた受診者データに基づきモデル同定を行った。残り日数に加えて、年齢、性別、BMI、及び健診問診回答を入力とし、その時点におけるHbA1c値を出力する指数関数モデルとして構築した。モデルパラメータ推定は最小二乗法によって行った。実際の状態推定は粒子数5000による粒子型フィルタによって行い、粒子数の比率を残り日数となる確率として評価した。閾値を超えた受診者の内1755人のデータに基づき観測モデルの同定を行い、閾値を超えた438人のデータと超えていない受診者6184人を対象に残り日数の推定を行った。 3年以内となる粒子数比率、つまり3年以内に閾値を超える確率を算出した。この確率に対するROC解析をした結果AUCが0.926(95%信頼区間:0.937-0.914)となり、カットオフ値は0.3679となった。 閾値をこえる健診受診者の各残り日数におけるHbA1c値が一定の傾向を示しており、ROCから健診受診データで構築したモデルを適用することで適切に受診者の将来発症リスクを提示可能と考える。観測モデルが想定している最大残り日数(10年)による算出するHbA1c値よりも低い受診者には適用できないことが限界である。