Japan Association for Medical Informatics

[3-H-2-05] 徳洲会グループにおける院内クラスター発生時のSEによる対応標準化の取り組み

*Sumikazu Yamaguchi1, Kazuhiko Hino2, Tsuneaki Tsukamoto3 (1. 医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院, 2. 医療法人徳洲会 新庄徳洲会病院, 3. 医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院)

COVID-19, hospital cluster, Standardization of response by SEs

背景・目的:徳洲会グループ(以下グループ)では電子カルテを導入している65病院に院内SEを配置している。グループでも新型コロナウイルスによる院内クラスターが複数の病院で発生したが、その際のSEの対応状況が各病院で大きく異なることが判明した。こうした非常時こそICTによる対策が必要との認識から院内クラスター発生時における院内SEの作業内容・手順の標準化を行い、グループのどの病院でも迅速かつ的確な対応ができる仕組みの構築に取り組んだ。方法:院内クラスターを経験した各SEから発生時の対応・作業内容等を集約、またグループの感染対策事務局より発生時にSEに求める対応内容等をヒアリングした。これらの情報をもとに関係者でWeb会議を開催し意見交換、クラスター発生時のSEによる標準的な作業内容・手順を決定しマニュアル化した。結果:作成した標準マニュアルによってクラスター発生時にSEが適切な対応や情報提供を迷わず行うことが可能となり、またクラスター未発生の病院やSEの不安を軽減する効果もあると考える。さらにWeb会議を通じクラスター発生時の状況や対応、反省点などを他病院のSEと共有することで知識と意識の向上も実現できた。考察・結論:各病院のSEで構成する徳洲会グループSE部会では、これまでもセキュリティやシステム関連物品等SEが関わる分野の標準化・共通化を進めてきたが、今回は院内クラスターという大きな問題への対応を検討する中で有事の院内SE業務と必要なスキルの標準化を行うことが出来た。病院ごとにSEの体制や能力の差はあるが医療現場がSEに求める事項は共通している。そのため、各SEの現在の業務内容の集約と整理、さらに今後必要とされる業務を付加して一覧化し、有事・平時を含めた業務全般の標準化と個人評価(スコアリング)の仕組みを構築しSEが提供するサービスの質とSE自身のレベル向上を目指している。