Japan Association for Medical Informatics

[3-H-2-07] 医療情報技師資格から見た病院の経営情報マネジメント

*Madoka Ishida1, Ko Arai2 (1. 国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部, 2. 一橋大学大学院 経営管理研究科)

Healthcare Information Technologist, Information Management, Hospital Administration

【目的】病院の経営情報マネジメントで医療情報技師を含む場合の組織的特徴を明らかにする。
【方法】2020年8-9月実施の病院経営医療法人(事業規模10億円以上)を対象にしたアンケート調査結果より、医療情報技師資格あり標本を抽出し、組織規模、病床種類、組織体制、人材スキル、情報システムの各項目の全体との比較分析を行った。
【結果】医療情報技師ありは181件中24件(13%)、組織規模は平均病床数164床(中央値115床)、平均従業員数335人(中央値230人)、平均事務員数41人(中央値28人)で、全体平均と病床規模は同程度だが従業員数・事務員数が多い。病床種類は一般型8施設、ケアミックス10施設、療養型3施設、精神型なし、他種類不明3施設であった。24件全て経営情報の担当部門があり、部門関与数は平均4.6(全体平均3.7)であった。 人材スキルは「診療情報管理士」18件が最も多く、「経理・財務」17件、「簿記」15件、「事務長」14件、「医療・福祉系国家資格」12件、「部門長」10件、平均スキル数4.8個(全体平均2.8個)であった。 情報システムは「EMR・OSあり」21件(88%)、「DB・DWHあり」12件(50%)、「BIあり」9件(38%)、「GWあり」23件(98%)、導入時期は最古でEMR・OS 2003年、DB・DWH 1995年、BI 2006年、GW 2003年であった。
【考察】医療情報技師を含む組織は、経営情報マネジメントの担当部門の設置があり、組織規模に対し人員や情報システム整備が進んでいる。また人材スキルは情報スキルに加え会計、医療、マネジメントスキルなど複数スキル、多部門連携に対応する体制が推察された。
【結語】医療情報技師資格から見た経営情報マネジメントは、情報システム管理を前提とし、多部門連携を背景とする複数スキルによる組織的な活動である。