一般社団法人 日本医療情報学会

[3-H-3] 次なる医療機関の情報化:DX ~安全管理の視点から~

*島井 健一郎1、小坂 泰二郎2,8、小池 大助3,8、清田 雅智4、宮越 浩一5、山本 康仁6、太田原 顕7,8 (1. 千葉大学医学部附属病院、2. 社会医療法人 石川記念会 HITO病院、3. 藤田医科大学 ばんたね病院、4. 株式会社 麻生 飯塚病院、5. 医療法人 鉄蕉会 亀田総合病院、6. 東京都立広尾病院、7. 山陰労災病院、8. 名古屋大学医学部附属病院 ASUISHI/CQSOプロジェクト)

Digital Transformation, Business Process Re-engineering, Safety Management, Hospital Administration, Hospital System Integration

社会の様々な業界で、電算化・デジタル化・IT化・ICT化などと、それぞれの時制・状勢に応じた変革が起き、最近では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)と称された情報化の波が押し寄せつつある。
我が国の医療業界においてもその波は押し寄せており、少子超高齢社会における、高度な品質を維持した上での、医療従事者の働き方改革の推進、医療資源の偏在対策、地域医療構想の実現、という三位一体の改革が余儀なく求められている。持続可能で質の高い地域社会形成への急速な変革と昨今の新興感染症のような突発的な事態等への迅速かつ合理的なデータドリブンでの戦略立案・実践・モニタリング(PDCA:Plan-Do-Check-Act)サイクルの整備を実現するために、DX必至の状況となっている。
このような中で、今後の医療機関の情報化には、病院経営層の中でも、業務の標準化や質・安全管理を主管し、患者や職員の安全管理を様々な視点からバランスを取って判断しているCOO(Chief Operation Officer)が、システムとの協働の指針等の策定に深く関与することが必要不可欠である。
2014~2018年度に、文部科学省支援事業の一環で、トヨタ自動車とのタイアップで「明日の医療の質向上をリードする医師養成プログラム(通称ASUISHIプロジェクト)」が始動し、2019年度以降、厚生労働省:厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)による支援で、「最高質安全責任者(CQSO)養成研修」が実施され、当該プログラム・研修の修了者や修了者の所属する医療機関を繋ぎ、多施設合同での検討会や改善サイクルを回し続け、医療におけるリスク量の低減に向けたネットワーク(ハブセンター事業)が構築されている。
本ワークショップでは、医療の質・安全管理、経営管理の視点から、病院情報システムに抱かれている問題・要望を列挙し、様々な解決策・手法を具体的に講じ・実践している事例を踏まえ、これからの医療機関・医療業界の情報化のあり方を協議する。