[4-G-1-03] がん診療において統合ビューアに表示する診療情報の重みづけに関する研究
Universal Viewer, Optimal display, Oncology, Medical Informatics, Integrated medical information
【背景】マルチベンダで構成される病院情報システムでは、がん診療に必要な情報を収集し、俯瞰的に把握するために一定程度の労力がかかる。これは各種の診療情報がサブシステムに分散保管されていることが原因の一つと考えられる。我々の先行研究では、効率的な診療を行うために診療情報を一元管理し、統合的に閲覧するビューア機能についての必要な要素を検討してきた。本年、当施設では病院情報システム更新に合わせ、全基幹、部門システムのデータを一元管理し、統合的に閲覧・利活用できる環境を構築したことに合わせ、がん診療に必要な情報について統合ビューアにて俯瞰的に表示する際の優先度を検討することとした。 【対象】過去の2か月(2018/3/1-2018/4/30)に当院を受診した患者46,019人についての全オーダ依頼および実施情報845種類、1,125,432件を対象とした。診療科、部署は全46種類である。 【方法】必要な診療情報の傾向を分析するため、対象となる患者の全オーダを診療科別に分類、全種類のオーダ発行頻度を調査し、出現頻度順に重みづけ(最重要=5、重要=4、普通=3、時に必要=2、頻度小=1)を行い、重みづけに従い表示された統合ビューア上の診療情報について評価した。 【結果】診療科別に重みづけを行い優先度に応じて診療情報を統合ビューアに表示可能であった。 【考察】今回用いた方法では、オーダしているものは必要な情報、頻度が大きければ重要度も大きいという仮説を設定した。優先度に応じて統合ビューアに表示された情報は診療科の特徴をよく表していると考えられた。今後このロジックをシステムに組み込むことで、診療に必要な情報を自動的に提示可能なシステム構築を目指す。 【結語】オーダ情報の頻度をもとに重みづけを行い統合ビューアに診療情報を表示することで、効率的な診療情報閲覧が実現できる可能性が示された。