Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-05] 総合病院向け電子カルテでの小児薬剤入力支援機能の実装

*Toshihiro Takeda1, Mitsunori Nishikawa2, Kazuhiko Bessho3, Harumi Kitamura4, Ayumi Fujii5, Matsumura Yasushi6 (1. 大阪大学大学院医学系研究科医療情報学, 2. 大阪大学医学部附属病院薬剤部, 3. 大阪大学大学院医学系研究科小児科学, 4. 大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部, 5. 大阪大学医学部附属病院医療情報部, 6. 国立病院機構大阪医療センター)

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【背景】小児の薬剤処方は、年令、体重により投与量が異なること、薬剤投与量が小数点を含む値で入力する必要があること、注射薬については電解質バランスや投与カロリーを考慮した投与量計算が必要となること、微量投与のための希釈が必要となることがあることなど、複雑になることが少なくない。NICUやGCUに向けた重症システムは、これらの問題を考慮したシステム設計が行われている。一方、総合病院の電子カルテの薬剤オーダエントリシステムは成人の薬剤処方に最適化されており、小児薬剤投与への考慮はほとんど行われていない。本研究では、小児薬剤投与のインシデントを防止することを目的とした小児薬剤入力支援機能を要求する仕様書を作成したので報告する。 【方法】小児科、小児外科医師、小児病棟看護師、薬剤師、医療安全担当者、医療情報担当者からなる小児誤投薬防止対策ワーキンググループを作り、小児薬剤入力支援機能に実現に向けた仕様書を作成した。仕様は、ワーキンググループでの議論に加え、小児専門病院の電子カルテ仕様書を参照し、厚生労働行政推進調査事業「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」での議論を反映させた。 【結果】24項目からなる要求仕様を作成した。要求仕様では、薬剤の規格量、薬剤量、成分量の個別表示、年令や体重に従って規定される標準投与量のデフォルト表示、注射薬の希釈入力支援機能、電解質濃度や投与カロリーの計算機能、年齢により定期的に体重測定を促す機能、過去1年間の投与実績から過量投与に対するアラートを表示する機能などが記載された。現在、要求仕様に従ったシステム設計を行っている。 【結語】総合病院向け電子カルテでの小児薬剤入力支援機能の要求仕様を作成し、仕様実装に向けたシステム設計を行った。